今回は、日本政策金融公庫の金利について解説します。新創業融資制度がなくなり、融資を受ける側としても非常にわかりやすい制度になったと思われます。
まず申し上げますと、公庫の融資金利は固定金利ですので、融資時に決定した金利が融資後に変わることはありません。一方、民間の金融機関からの融資には、固定金利と変動金利がある点にご留意ください。
も く じ
Toggle日本政策金融公庫における元手の調達方法
日本政策金融公庫は預金機能を持っていないため、財投債や政府保証債などの仕組みを通じて融資金の元手を調達しています(下図は、日本公庫の資金の流れより抜粋)。
このような仕組みで調達し、固定金利での起債により、融資先にも固定金利で融資を提供できていると考えられます。
日本政策金融公庫の金利
日本政策金融公庫の金利には、基準利率や特別利率AからUまでの種類があるようです。
詳細を確認したい方は、日本政策金融公庫の金利ページをご参照ください。
非常にまれなケースを除き、基準利率、特別利率A、特別利率B、特別利率Cのいずれかが適用されることが多いので、これらの利率に絞って説明します。
例えば、新規開業資金だと、基準利率、特別利率A、特別利率B、特別利率Cがあります。
返済期間においては、運転資金は10年以内、設備資金は20年以内となっております。
(新規開業資金の概要については、こちら)
令和6年9月2日現在の国民生活事業(主要利率一覧表)を参考に、下表を作成しました。
どの融資においても、金利の決定は各制度の適用条件によって変わります。従って、制度に合致するかどうかで金利が異なります。しかし、担当者が最も有利な融資制度を選んでくれるため、どの制度が適用されるかを会社側で詳しく確認する必要はありません。
下表をご覧いただくと、金利には下限と上限があり、これは返済年数によって決まる仕組みになっています。各支店に問い合わせて「返済年数10年の金利を教えてください」と尋ねれば、具体的な金利を教えてくれます。
日本政策金融公庫の金利については毎月見直しがありますので、一番安い金利となる返済年数については一旦確認いただく方が良いです。新規開業資金をもとに考えると、一番高い金利部分は最長の返済年数20年の金利と対応する形となるので、運転資金での調達を考えられている場合は、金利情報の下限値を目安に考えていただければ問題ないと思います。
基準利率と特別利率の差についても上表で示しましたが、特別利率Aであれば0.40%、特別利率Bであれば0.65%、特別利率Cであれば0.90%、それぞれ基準利率より金利が低く設定されています。そのため、特定の制度に該当した場合は、基準利率から各制度ごとに定められた利率が引き下げられた金利が融資時の金利になるとご理解いただければと思います。
また、日本政策金融公庫の創業融資について解説した記事もありますので、創業融資をお考えの方は、こちらもご覧ください。
日本政策公庫の創業融資を徹底解説【2024年最新】
最後に、政府系金融機関で2,000社以上の中小企業の融資支援と事業再生の現場に立ち会ってきた経験から、適切な財務管理と資金調達のサポートが中小企業の成長と持続可能性に不可欠であると深く理解しています。
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