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【2024年最新】事業者選択型経営者保証非提供制度について

「経営者保証に関するガイドライン」(以下「経営者保証ガイドライン」という。)が定める経営者保証を提供することなく資金調達を受ける場合の要件(①法人・個人の資産分離、②財務基盤の強化、③経営の透明性確保)を充たしていれば経営者保証を解除する現在の取組を徹底するとともに、経営者保証ガイドラインの要件のすべてを充足していない場合でも、経営者保証の機能を代替する手法を用いることで、経営者保証の解除を中小企業者が選択できる制度を創設することなどが明記され、保証協会付き融資ついて新たに経営者保証なしの制度が創設されました。

保証料率の上乗せにより経営者保証を提供しないことを選択できる信用保証制度。法人である中小企業者が、一定の要件を満たした場合に、保証料率の上乗せを条件に保証人による保証を提供しないことを選択できる信用保証制度等を創設し、2024年3月15日から取扱いを開始されました。上乗せの保証料率の一部の補助もあります。

従来から金融機関連携型や財務要件型、担保充足型といった経営者保証なしの保証の取り扱いはありましたが、昨今の経営者保証の流れを一層に促進するために、保証料率上乗せでの経営者保証の免除の制度ができました。日本政策金融公庫でも金利上乗せでの保証免除の制度はありますが、金利を上乗せしてまで経営者保証を免除する方はあまりいないため、思った以上に制度利用はない印象です(金利の上乗せを敬遠する方が大半だと思います)。
信用保証における経営者保証については、東京商工リサーチのアンケートが参考になります。

東京商工リサーチ:https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198516_1527.html

本題に戻りますが、事業者選択型経営者保証非提供制度の利用条件は以下の通りになっています(*)。

利用条件

  1. 過去2年間(法人の設立日から2年経過していない場合は、その期間)において決算書等(必要に応じて試算表や資金繰り表を含む)を申込金融機関の求めに応じて提出していること。
  2. 直近の決算において代表者(代表者に準ずるものを含む)への貸付金等(仮払金:未収入金等を含む)がなく、かつ、代表者への役員報酬、賞与、配当等が社会通念上相当と認められる額を超えていないこと。
  3. 直近の決算において債務超過でない(純資産の額がゼロ以上である)こと又は直近2期の決算において減価償却前経常利益が連続して赤字でないこと。
  4. 上記1.及び2.については継続的に充足することを誓約する書面を提出していること。
  5. 中小企業者が、保証料率の上乗せにより保証人の保証を提供しないことを希望していること

(*)法人の設立後最初の決算が未了の者の場合にあっては1.から3.までに掲げるものを、法人の設立後最初の2期分の決算が未了の者にあっては3.に掲げるものをそれぞれ除く。

保証条件等

  • 無担保保険(限度額8,000万円)に係る保証など。
  • 保証料料率

また、当初3年間限定ですが、以下の期間に応じて保証料の補助があります。

  • 2024年3月15日~2025年3月31日の保証申込分
    補助率 0.15%
  • 2025年4月1日~2026年3月31日の保証申込分
    補助率 0.10%
  • 2026年4月1日~2027年3月31日保証申込分
    補助率 0.05%

参考情報 金融公庫の経営者保証免除特例制度

利用条件

  1. 法人と代表者の方の一体性の解消が一定程度図られていることについて、公庫において確認ができること(事業上の必要が認められない法人から経営者への貸付金等がないこと)。
  2. 税務申告を2期以上実施していること。また、公庫からの普通貸付または生活衛生貸付の借入がある場合は、取引状況に問題がないこと(公庫の返済遅延がないこと)。
  3. 次のいずれかの要件を満たす方
    ア最近2期の決算期において、減価償却前経常利益が2期連続して赤字でないこと
    イ直近の決算期において債務超過となっていないこと

上乗せ金利

図表を見比べてみると、金融公庫の経営者保証免除特例制度にほぼ似たような制度となっていますので、制度設計上も公庫の制度を参考にしながら当該制度が作られたのではないでしょうか。

詳細は中小企業庁HPへ 
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2024/240315.html

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